1年以上無償で使えるAWSサービスについて調べてみた

2022/12/06

AWS アドカレ

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AWSの1年無償枠の期限が切れました。
無償のうちにたくさん使うぞー、なんて思いながらも案の定、実験程度にしか使用せずに終わってしまいました。
新しいアカウントを作り続けるといった闇ライフハックは別として、1年間の無償期間後も無料で遊べるサービスを調べてみます。

1.はじめに

この記事は「今から試すために検討した」ものです。
試して間違っていたら直すつもりではありますが、特に現時点での金額に関して保証はできかねます。

情報は公開 (2022/12/04) 時点のものです。最新の情報はリンク先などから確認してください。

2.結論

このページ↓で、フィルターに「常に無料」チェックを入れると1年の無償枠に関わらず一部機能を利用できるものが確認できます。
AWS クラウド無料利用枠 | AWS

 2022/12/04時点で41サービスありました。

展開 : 41個の内容 (https://aws.amazon.com/jp/freeより抜粋・整形)
  1. Amazon DynamoDB

    シームレスなスケーラビリティを備えた、高速で柔軟な NoSQL データベース。

    • 25 GB のストレージ
    • 25 個のプロビジョニングされた書き込みキャパシティーユニット (WCU)
    • 25 個のプロビジョニングされた読み込みキャパシティーユニット (RCU)
    • 1 か月あたり最大 2 億リクエストの処理が十分に可能。
  2. AWS Lambda

    イベント発生時にお客様のコードを実行し、コンピューティングリソースを自動的に管理するコンピューティングサービスです。

    • 1,000,000 件/月の無料リクエスト
    • 1 か月あたり最大 320 万秒のコンピューティング時間
  3. Amazon SNS

    高速で柔軟な完全マネージド型のプッシュメッセージングサービスです。

    • 100 万件の発行
    • 10 万件の HTTP/S 配信
    • 1,000 件のメール配信
  4. Amazon CloudWatch

    AWS のクラウドリソースとアプリケーションをモニタリング。

    • 10 カスタムメトリクスおよび 10 アラーム
    • 100 万件の API リクエスト
    • 5 GB のログデータの取り込みおよび 5 GB のログデータのアーカイブ
    • 毎月最大 50 メトリクスのダッシュボード 3 個
  5. Amazon CloudFront

    低レイテンシーかつ速いデータ転送速度で、エンドユーザーにコンテンツを配信するウェブサービスです。

    • 1 TB のデータ転送 (アウト)
    • 1,000 万件の HTTP および HTTPS リクエスト
    • 200 万件の CloudFront 関数呼び出し
  6. Amazon Cognito

    シンプルでセキュアなユーザーのサインアップ、サインイン、およびアクセスコントロール。

    • ユーザープール機能には、各月 50,000 MAU の無料利用枠があります**
    • 10 GB のクラウド同期ストレージ。サインアップから 12 か月で有効期限が切れます。
    • 毎月 1,000,000 回の同期操作。サインアップから 12 か月で有効期限が切れます。
  7. Amazon Glacier (Glacier API のみ)

    安全で耐久性に優れた長期的なオブジェクトストレージ。

    • 10 GB/月の Amazon Glacier データ取得が無料無料利用枠は、その月のいつでも利用でき、Glacier API を利用したスタンダードの取得にのみ適用されます。
  8. Amazon Macie

    データの検出、分類、保護。

    • コンテンツ分類エンジンの処理 1 GB
    • 100,000 件のイベント
  9. Amazon SES

    コスト効率に優れたクラウドでのメールサービス。

    • 1 か月あたり 62,000 件の送信メッセージを、Amazon EC2 インスタンスから直接、または AWS Elastic Beanstalk 経由で Amazon SES を呼び出す際に任意の受取人に送信できます。
    • 1,000 件の受信メッセージ/月
  10. Amazon SQS

    コンピュータ間でやり取りされるメッセージを格納するためのスケーラブルなキューです。

    • 100 万件のリクエスト
  11. Amazon SWF

    クラウドアプリケーション用のタスクコーディネーションとステート管理サービスです。

    • 10,000 件のアクティビティタスク
    • 30,000 日のワークフロー日
    • 1,000 回の実行
  12. AWS CodeBuild

    クラウドでのコードの構築とテストを行う完全マネージド型構築サービスです。

    • 合計 100 ビルド分/月 (general1.small または arm1.small コンピューティングタイプを使用)
  13. AWS CodeCommit

    高度にスケーラブルなマネージド型ソースコントロールサービスです。

    • 1 か月あたり 5 人のアクティブユーザー
    • 1 か月あたり 50 GB/月のストレージ
    • 1 か月あたり 110,000 Git のリクエスト
  14. AWS CodePipeline

    速度と信頼性に優れたアプリケーション更新を実現する継続的な配信サービスです。

    • 1 アクティブパイプライン/月
  15. AWS Database Migration Service

    最小限のダウンタイムでデータベースを移行できるサービス

    • Amazon DMS のシングル AZ の dms.t2.micro インスタンス 750 時間分の使用
    • 50 GB の汎用 (SSD) ストレージ
  16. AWS Glue

    簡単かつ柔軟でコスト効率の良い抽出、転送、ロード (ETL) のサービス。

    • AWS Glue データカタログへのオブジェクトの保存 100 万件
    • AWS Glue データカタログへのリクエスト 100 万件/月
  17. AWS Key Management Service

    AWS Key Management Service は、管理制御で暗号化を容易にするマネージドサービスです。

    • 1 か月あたり 20,000 件の無料リクエスト
  18. AWS License Manager

    サードパーティーのライセンス使用の管理、検出、レポートのために事前にルールを設定する。

    • 無制限 – 好きな数だけルールを設定して、サードパーティーのライセンス使用を管理しましょう
    • 無料のインスタンスで費用をかけずに AWS License Manager を使用しましょう。デフォルト環境で提供されるリソースよりも多くのリソースが必要なアプリケーションには、通常の AWS レートが適用されます。
  19. AWS Step Functions

    分散アプリケーションのコンポーネントをコーディネート。

    • 4,000 回の状態遷移/月
  20. AWS Storage Gateway

    シームレスなローカルの統合と最適化されたデータ転送を備えた、ハイブリッドクラウドストレージ。

    • アカウントあたり最初の 100 GB は無料
    • AWS への転送料金なし
  21. AWS Well-Architected Tool

    ワークロードのレビュー
    アーキテクチャをレビューし、AWS Well-Architected Tool を使ってベストプラクティスを導入する
    この無料ツールを使用するには、まずワークロードを定義し、Well Architected フレームワークの 5 つの柱について一連の質問に答えます。その後、AWS Well-Architected Tool で、AWS ベストプラクティスを使用した、クラウド向けのアーキテクチャを設計する方法についての計画を確認できます。

  22. AWS X-Ray

    アプリケーションの分析とデバッグ。

    • 1 か月あたり 100,000 件の記録されたトレース
    • 1 か月あたり 1,000,000 件のトレースのスキャンまたは取得
  23. AWS Security Hub

    AWS のセキュリティチェックを自動化してセキュリティアラートを一元化します。

    • 取り込まれた検出結果 10,000 件 (1 か月、1 リージョン、1 アカウントあたり)。
  24. AWS CodeArtifact

    AWS CodeArtifact は、フルマネージド型のアーティファクトリポジトリサービスであり、あらゆる規模の組織がソフトウェア開発プロセスで使用されるソフトウェアパッケージを安全に保存、公開、および共有することを容易にします。

    • 最初の 2 GB/月のストレージ
    • 最初の 100,000 リクエスト/月
  25. Amazon Honeycode

    Amazon Honeycode を使用すると、プログラミングを必要とせずに、強力なモバイルおよびウェブアプリケーションをすばやく構築できます。

    • Amazon Honeycode は、最大 20 人のメンバーのチームとワークブックあたり 2,500 行の場合に無料で利用できます
  26. AWS Migration Hub

    Migration Hub は、アプリケーション移行の進捗状況を追跡するための単一の場所です

    • 無制限の数のアプリケーションを追跡し、無制限の EC2 レコメンデーションを取得します
  27. AWS Application Discovery Service

    サーバーの仕様情報、パフォーマンスデータ、実行中のプロセスとネットワーク接続に関する詳細情報が収集されます。

    • 無料利用枠に達し、新しいアプリケーションをインポートする場合は、DeleteApplications API アクションを使用して既存のアプリケーションを削除できます。
  28. AWS Service Catalog

    AWS での使用が承認されている IT サービスのカタログを作成および管理します。

    • AWS Service Catalog の無料利用枠には、毎月 1,000 件の API 呼び出しが含まれています。1 か月あたりの呼び出しがこの数値を超えると、AWS Service Catalog のレートで課金されます。
  29. AWS Server Migration Service

    オンプレミスインフラストラクチャまたは Microsoft Azure から AWS に仮想のみのワークロードを移行するエージェントレスサービス。

  30. AWS CloudTrail

    AWS インフラストラクチャ全体でアカウントアクティビティをログに記録し、継続的にモニタリングし、保持します。

    • 無料 - AWS CloudTrail では、サポートされている AWS のサービスのすべての管理イベントに対する過去 90 日間のアカウントアクティビティを表示、フィルタリング、ダウンロードできます。
    • 無料 - 管理イベントの単一のコピーを配信する証跡を設定します。
    • すべてのデータイベント、および各リージョンの最初のコピーを超える管理イベントの追加コピーには追加料金が適用されます。詳細については、製品情報を参照してください
  31. AWS Systems Manager

    AWS の複数のサービスにおける運用データを一元化し、AWS リソース全体でタスクを自動化します。

    • 無料の Systems Manager 機能 - エクスプローラー、Resource Groups、インサイトダッシュボード、インベントリ、実行コマンド、セッションマネージャー、パッチマネージャー、メンテナンスウィンドウ、ステートマネージャー、パラメータストア、オンプレミスインスタンス管理、ディストリビューター。
    • 追加料金なしで提供される Systems Manager 機能に制限が適用される場合があります。
  32. AWS CloudFormation

    すべてのクラウドインフラストラクチャリソースをコードでモデル化してプロビジョンし、設定のコンプライアンスとより迅速なトラブルシューティングを可能にします。

    • 1,000 件のハンドラーオペレーション/月/アカウント
    • 1,000件/月を超えるハンドラーオペレーションあたり 0.0009 USD*
    • 30 秒を超えるハンドラーオペレーション期間は *0.00008 USD/秒
    • データ転送: 標準の AWS データ転送料金で課金
  33. AWS Control Tower

    新しいセキュアなマルチアカウント AWS 環境をセットアップおよび管理するための最も簡単な方法。

    • AWS Control Tower の利用に追加料金は発生しません。
      ランディングゾーンと必須のガードレールをセットアップするように設定された AWS のサービスには、サービスの使用量に基づいたコストが発生します。
  34. AWS Organizations

    すべての AWS のお客様が無料で利用できます

  35. AWS WAF Bot Control

    一般的かつ普及しているウェブボットからウェブアプリケーションを保護

    • Bot Control によって処理される 10,000,000 件のリクエスト/月
  36. AWS Application Migration Service

    コストを削減しつつ、移行を簡素化および迅速化します。

    • サーバーを無制限に無料で移行します (サーバーあたり最大 90 日間)。
  37. Migration Evaluator

    Migration Evaluator は、お客様が AWS でオンプレミスの資産を運営するための予測コストを迅速に確認できるようにします。

    • 無制限の移行前評価リクエストにより、検出を簡素化し、クラウドコストを予測し、移行の決定を加速します。
  38. AWS re:Post

    AWS のお客様が技術面での問題を解決するために役立つコミュニティ主導の質疑応答サービスです。

    • AWS re:Post からのガイダンスは、AWS 無料利用枠の一部として常に無料でご利用いただけます。
  39. AWS Data Exchange

    無料のサードパーティーデータセット
    API、ファイル、または Amazon Redshift テーブルを使用して提供されるサードパーティーデータセットを簡単に検索して使用できます。

    • 1,600 個を超える無料のサードパーティーデータセット
  40. Amazon Chime

    Amazon Chime は最新のユニファイドコミュニケーションサービスで、非常に優れた音声とビデオの品質を備えたフラストレーションフリーの会議を実現できます。

    • Amazon Chime ベーシックのサブスクリプションはいつまででも無料でご利用いただけます
  41. AWS Resource Access Manager

    AWS アカウント間または組織内でリソースを安全に共有します。

    • すべての AWS のお客様が無料で利用できます

3.個人的注目サービス

上で41個書き出しましたが、中にはログのレポート〇〇件無料、だとかオンプレからの移行サービスなんかも含まれていて無料で遊ぶ目的だと要らないものが多いです。
そこで、「これ使ってなにか作るか!」となりそうなサービスを独断と偏見によりリストアップしてみました。

Amazon DynamoDB (25 GB のストレージ・25WCU・25RCU)

  • データベースカテゴリ唯一の選択肢、かつ普通のストレージには無料枠が無いようなので何かの保存場所としてもほぼ唯一の選択肢
  • ざっくりと言えばWCUは「4kb読み取り/秒」、RCUは「1kb書き込み/秒」、容量を減らしても回数は増えないので、小さめのデータなら25回/秒=2百万回/日=66百万回/月
    • プロビジョニングするプランならWCU、RCUは固定または最大値で設定できる。
  • データ容量的には、ログ保存のようなケースとして、1kb/秒→2.7GB/月なので9ヶ月分保存できるはず。

AWS Lambda (100万/月の無料リクエスト・320万秒/月の実行時間)

  • コンピューティングカテゴリ唯一の選択肢
  • 100万/月=3.2万/日=1344/時間=22/分 なので3秒に1回実行可能
  • 1ヶ月=268万秒なので、1つなら常に動いていても大丈夫なレベル。
    • 詳細な料金のページには40 万 GB-s とあって、メモリ量×時間で計算するようなので、これは128MBのメモリ()を割り当てた例になる。
  • また、ストレージ(ファイルやオブジェクトの一次保存?)も512MB無料とのこと

AWS Step Functions (4,000 回の状態遷移/月)

  • 上記Lambdaは何処かから実行してあげる必要があるが、それをステートマシン的に実行できる。定期実行もしやすそう。
  • 最大10回遷移して終了するようなフローを、400回/月=12回/日=1回/2時間の頻度で定期実行できる。

Amazon SNS (100 万リクエスト/月・1,000通メール配信/月)

  • なにか作ったあとのアウトプット・管理としてリストアップ
  • 主な用途としてメール、HTTPリクエスト、AWS他サービスへの配信、モバイルプッシュなどがある
    • ひとまずメールだけを想定、メール専門のサービスとしてSESがあるが、自分用通知ならSNSのほうが簡単そう
  • データ転送量 (0.09USD/GB) はかかる気がする

4.その他

思ったよりも13ヶ月目以降に無償で使えるものがたくさんありました。
ただし、データ転送量など、周辺で少し課金されそうなものもあるので完全に無料を目指すならまだ検証が必要そうです。

リストアップしたサービスを使ってなにか作ってみたら、また記事にします。



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